健康コラム もっと知りたい!
内科・内視鏡・健康診断の話

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健康診断はなぜ必要?受けないとどうなる?

健康診断はなぜ必要?受けないとどうなる? 健康診断

健康診断は、個人の健康状態を評価し、潜在的な健康リスクや疾患を早期に発見し、適切な対策や治療を行うために行われます。

健康が人生の土台

世の中には様々な価値観を持つ人がいます。「仕事第一」、「家族がとにかく大事」、「趣味が一番」などといった十人十色の人生・人生観があります。そのほとんどの方の土台には「健康な身体」(命)があります。(もちろん何か病気を抱えながらもその人らしい人生を送っている方もたくさんいらっしゃいます。)様々な人生観を持つためには「健康」が必要と言えるでしょう。

健康診断を受けないリスク

健康診断を受けないと、どうなるのでしょうか。 突然の心筋梗塞や脳卒中、末期がんの宣告。何も症状はなく自分は健康と思って当たり前の日常を送っている人でも、ある日突然胸が痛くなって救急車で病院へ搬送され心筋梗塞の診断を受けたり、ある日突然右手足に力が入りにくくなり救急外来を受診し脳卒中(脳梗塞・脳出血)の診断を受けたり、ある日ふと体の皮膚が黄色くなっていること(黄疸)に気づき病院受診し膵臓癌の末期(肺や肝臓などの他臓器への転移がある状況)の診断を受け余命半年と宣告されたりすることがあります。「まさか自分が・・・」誰しもが思うことです。

健康診断の役割

健康なのか、病気のリスクがないかを確認するためにあるのが健康診断です。何も症状がない状態でも健康診断を受けることで、血圧が高いことに気付いたり、血液検査でコレステロールや血糖値などが高いことが分かったりするのです。高血圧症・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病は心筋梗塞・脳卒中の原因となり、かつほとんど症状がないことが多いです。
健康診断の胃のバリウム検査や内視鏡検査(胃カメラ)、便潜血検査などでは、胃がんや大腸がんを自覚症状がない段階で見つけることができます。

早期発見・早期治療の重要性

生活習慣病もがんも早期に見つけて早期に治療することが非常に重要です。糖尿病は進行すると糖尿病性腎症を起こし血液透析が必要になってしまいますし、がんに関しては肺や肝臓へ転移して末期がん(StageIV)となって根本治療が困難になってしまうこともあります。そういったことを少しでも避けるために1年に1回健康診断を受けて早期発見・早期治療していきましょう。

生活習慣の見直しと予防

健康診断で肥満、血液検査の軽度の異常(肝機能・脂質・糖・尿酸値など)といった病気の前段階にある状態を的確に認識して、食事・運動・睡眠・喫煙・飲酒といった生活習慣の見直しをして、肥満や血液検査の経度の異常を正常な状態に改善させることは病気の予防のためには非常に重要です。

オプション検査の活用

胃がんに関しては健康診断のオプションとしてピロリ菌検査を受けて頂き、その結果が陽性であれば、ピロリ菌は胃がんの発症リスクとなるため除菌治療を受けて頂くと胃がんの予防がある程度できます。大腸がんに関しては40歳を超えてくると大腸がんのもとになる大腸ポリープが生じることが多くなるため大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けて頂き、ポリープがあれば切除することで大腸がんの予防がある程度できます。

健康診断の結果を真摯に受け止める

誰しもが当たり前と思っている「健康(命)」を守るために1年に1回健康診断を受けるようにしましょう。そして健康診断の結果を真摯に受け止めましょう。再検査や精密検査が必要と記載があった場合は「症状がないから大丈夫だろう」と軽視・無視せずに医療機関を受診しましょう。