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腹痛・下痢・便秘を繰り返す、過敏性腸症候群とは

腹痛・下痢・便秘を繰り返す、過敏性腸症候群とは 内視鏡

通勤通学で電車に乗っているときに急にお腹が痛くなって、途中下車してトイレに駆け込む…なんて経験はありますか?それは過敏性腸症候群かもしれません。

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群とは、精神的なストレスや自律神経バランスの乱れなどによって腸の働きに異常が生じ、腹痛・下痢・便秘などの症状を引き起こす病気のことです。
日本人の10%程度は過敏性腸症候群であるとされており、珍しい病気ではありません。

過敏性腸症候群の主な症状

過敏性腸症候群はお腹の痛みや張りなどの症状と同時に、下痢や便秘などの便通異常を引き起こす病気です。症状の現れ方は人によって異なり、特に便通異常の現れ方によって「下痢型」・「便秘型」・「混合型」の3つのタイプに分けられます。
「下痢型」はストレスや緊張などの少しのきっかけによって腹痛と強い便意から下痢を生じることが特徴で、特に通学・通勤中などのトイレに行くことができない状況で発症しやすいとされています。
一方、「便秘型」では便秘に伴ってお腹の張りなどの症状が出ます。そして「混合型」は下痢と便秘が交互に繰り返されます。排便すると一時的に症状が改善することも特徴の一つです。
このような症状が3カ月以上続く場合に過敏性腸症候群が疑われます。

過敏性腸症候群の検査方法

検査せずに問診のみで診断されることも多いです。
腹痛・下痢・便秘の症状が他の病気によって生じていないか、腹部レントゲン検査・腹部CT検査・大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行うこともあります。
特に大腸カメラの検査で全く異常がないということがポイントとなります。

過敏性腸症候群の治療法

過敏性腸症候群の症状を改善するには、ストレスや疲れをためないように、規則正しい生活を心がけることが大切です。毎日3食をできるだけ同じ時間にバランスよく摂り、日中は可能な範囲で運動し、夜はしっかり眠ることが重要です。
ストレスがある場合、その原因自体を解決することも大切です。
また、軽症であれば、薬を使わず生活習慣の改善をしながら経過を観察するケースも少なくありません。生活改善を行っても症状が改善しない場合や、症状が強い場合には、それぞれの症状を和らげるための内服薬を処方して治療を行います。
過敏性腸症候群は精神的な要因で発症・悪化することが多いため、抗うつ薬や向精神薬が用いられることもあります。

大腸カメラで異常なしでも要注意
大腸カメラの検査で全く異常がなくても腸の動きのトラブルで腹痛・下痢・便秘を引き起こす過敏性腸症候群という病気があります。大切なのは検査結果よりも症状です。