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子どもの病気と思われがちなRSウイルス感染症は高齢者でも注意が必要!

子どもの病気と思われがちなRSウイルス感染症は高齢者でも注意が必要! 内科

RSウイルス感染症とは

RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。RSウイルスは非常に身近なウイルスで、2歳までにほぼ100%の人が感染するとされており、生涯にわたって何度も感染・発症を繰り返します。
成人の多くは軽症で、発熱・鼻水・咳などの症状が数日続いた後に回復しますが、高齢者や基礎疾患のある方では肺炎など重症化することもあります。

実は乳幼児より高齢者の感染者数が多い

RSウイルス感染症は乳幼児の病気というイメージが強いですが、実際には高齢者の感染者数の方が多いことが分かっています。
2021年の乳幼児のRSウイルス感染症の受診件数は約22万件と報告されています(※1)。一方、2000年~2021年の複数の報告と人口統計から算出された、60歳以上のRSウイルスによる急性呼吸器感染症の発症件数は、年間約69万件とされています(※2)。
このように、高齢者の感染者数は乳幼児の約3倍にのぼります。また、60歳以上におけるRSウイルス感染症による年間の入院件数は約6万件と報告されています(※2)。

RSウイルスには治療薬がない

インフルエンザには、ワクチン(予防接種)だけでなく治療薬(抗ウイルス薬)があります。
しかし、RSウイルス感染症には現在、有効な治療薬がありません。そのため、発症後の治療は対症療法が中心となります。
一方で、RSウイルスにはワクチン(予防接種)があり、高齢者や基礎疾患のある方は、重症化を防ぐために接種を検討することが推されます。

重症化・入院に注意が必要な方

RSウイルス感染症は、特定の方では重症化しやすいことが知られています。
特に、高齢者、喘息やCOPD、心疾患などの慢性の基礎疾患がある方、免疫機能が低下している方は重症化リスクが高いとされています(※3)。
入院リスクについても、喘息で2.0~3.6倍、COPDで3.2~13.4倍、うっ血性心不全で4.0~33.2倍、冠動脈疾患で3.7~7.0倍、糖尿病で2.4~11.4倍と、基礎疾患のある方で大きく上昇することが報告されています(※4)。

RSウイルスワクチンの接種対象者

RSウイルスワクチンの主な接種対象者は以下のとおりです。

  • 60歳以上の方
    50歳以上でRSウイルス感染症が重症化するリスクが高いと考えられる方
    (慢性肺疾患、慢性心疾患、慢性腎臓病または慢性肝疾患、糖尿病、神経疾患または神経筋疾患、肥満、その他医師が必要と認めた方)

予防のためにできること

接種対象に該当する方は、RSウイルス感染症のワクチン(予防接種)を受けることで、重症化や入院のリスクを下げることが期待できます。
ご自身やご家族の健康を守るためにも、ぜひ医師に相談のうえ、予防接種を検討しましょう。