胃がんリスク検査
(ABC検診)について
胃がんリスク検査
(ABC検診)ってなに
胃がんリスク検査(ABC検診)は「ピロリ菌感染の有無を調べる検査」と「胃粘膜の萎縮度を調べる検査」を組み合わせて胃がんになるリスクを分類する検査です。
検査結果はA〜D群に分類され、区分に応じて今後の管理・対策が決まります。
「胃カメラやバリウム検査もやりたくない!」という方は、まずABC検診を受け、胃内視鏡検査(胃カメラ)での精密検査を受ける必要があるかどうかを判断してみるのも、ひとつの手段です。
血液による簡便な検査ですが、あくまでも胃がんのなりやすさ、リスク程度を調べる検査であり、胃がんの有無を診断する検査ではないことを、ご理解ください。
1. 原則、生涯で1回だけ検査をすれば問題ない
2. 「胃がんになる可能性があるか」を確認する検査
3. A群と診断された場合、胃がんになる可能性は極めて低い
4. 精密検査(胃カメラ)を受けるか、まずABC検診で判断してみる
※ 胃がんリスク検査(ABC検診)において、以下に該当される場合は正しい判定ができない可能性があります。
- 食道、胃、十二指腸疾患で治療中の方
- 胃薬や抗生剤を1ヶ月以内に服用していた方
- 胃切除をされた方
- 腎不全の方(目安として、クレアチニン3mg/dl以上)
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を受けた方
胃がんリスク分類(ABC分類)
ピロリ菌感染検査と胃粘膜検査の結果については、下記表のように4つの分類に分けられます。
そして、分類毎に胃がん検査の対策が変わります。
分類結果と対策
-
胃の病気になる危険性は低いと考えられます。
ただし、A群と判定された場合でも、胃がん発生のリスクを回避できるわけではありません。
ピロリ菌感染以外の要因でも胃に病変が発生する場合もあります。
自覚症状がある場合や家族歴がある場合は、内視鏡検査等の実施について担当医師と相談してください。 -
ピロリ菌に感染しています。わずかながら胃がん発症リスクがあります。
一度、内視鏡検査(胃カメラ)を受診してください。対 策・ピロリ菌の除菌治療を進めましょう。
・2~3年以内の間隔で定期的に胃の内視鏡検査(胃カメラ)を受けましょう。 -
ピロリ菌感染により、慢性萎縮性胃炎の状態と思われます。
胃がんを発症するリスクが高め。対 策・ピロリ菌の除菌治療を進めましょう。
・毎年胃の内視鏡検査(胃カメラ)を受けましょう。 -
慢性萎縮性胃炎の状態で、ピロリ菌も生存できないほど胃が弱っている可能性があります。
C群と同様、胃がんを発症するリスクが高め。対 策・毎年胃の内視鏡検査(胃カメラ)を受けましょう。
※ピロリ菌除菌後の方は、
B、C、D群と
診断されたら
定期的に内視鏡検査(胃カメラ)や、除菌治療をおすすめいたします。
除菌後もピロリ菌抗体が陰性化になるまで時間がかかるため、除菌後でもピロリ菌抗体が陽性になることがあります。
そのため除菌後の方はE群という診断になります。