今、日本で増えている大腸がん
大腸がんは日本で増えており、2019年のがん罹患数(男女合計)1位となっています。大腸がんの予防・早期発見・早期治療する重要性が高まっています。
なぜ早期発見が重要なのか
大腸がんは進行するまでほとんど症状がありません。便潜血検査が陽性になったり、血便・便が細い・腹痛などの症状が出たりして見つかる時には進行大腸がんとなっている事が多いです。もちろん、そういった経緯があってすぐ大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けて進行大腸がんが見つかっても外科手術で根治(完全に治す)できれば良いです。
肺や肝臓などといった他の臓器への転移を起こした末期がん(StageIV)で見つかると、根治が難しく命を落としてしまうことも少なくありません。
早期大腸がんで見つかると外科手術ではなく、内視鏡治療(お腹を切らない、大腸カメラでの治療)で済みます。
外科手術ではなく内視鏡治療の方が(早期治療が)いい理由
外科手術では大腸を部分的に切除するため、手術のあとに便秘や下痢に悩まされる方も多いです。また、手術による癒着(腸が一部くっついてしまうこと)で腸閉塞という病気を起こすこともあります。肛門に近い直腸がんでは人工肛門を造ることになる場合もあります。
内視鏡治療で済む場合、切除方法によっては日帰りで治療を受けられますし、大腸の粘膜を部分的に(病気のところだけを)切除するだけなので、治療後の腹痛・便秘・下痢などの症状が起こることはありません。
大腸がんを予防するには
大腸がんには良性ポリープができてだんだん大きくなって癌化するパターンと、正常な粘膜に突如がんの細胞が出現してくるパターンとあります。多くは前者のポリープを介して発生するパターンのため、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けてポリープを見つけて切除することで大腸がんをある程度予防することができます。
40歳を超えると大腸ポリープが見つかり始めることが多いと言われていますので、40歳を超えたら一度、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けましょう。
40歳未満の方でも何か気になる症状があったり、ご家族に大腸がん・多発の大腸ポリープなどの方がいらっしゃったりする場合は、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けられると良いでしょう。