逆流性食道炎とは?~現代人に増えている食道の病気~
逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食べ物が食道へと逆流し、食道に炎症を起こしてしまう病気です。この炎症によって、胸やけや胸の痛みなど、さまざまな不快な症状が生じます。かつては日本人には少ない病気といわれていましたが、食生活の欧米化や生活習慣の変化に伴い、近年、患者さんが増加傾向にあります。

主な症状をチェックリストで確認
呑酸(どんさん):胃酸が喉や口まで上がってきて、酸っぱい感じがする
喉の違和感・痛み:喉に何かが引っかかっているような感覚や軽い痛み
慢性の咳:特に夜間や食後に出やすい咳

逆流性食道炎の原因と治療法
なぜ胃酸は逆流してしまうのか?主な原因
加齢や脂肪摂取による下部食道括約筋の低下:この筋肉が緩むと、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。
便秘や悪い姿勢による腹圧上昇:腹部に強い圧力がかかると、胃が圧迫され、内容物が押し上げられます。
食道裂孔ヘルニア:胃の一部が横隔膜の穴(食道裂孔)を通って胸腔内に飛び出してしまう状態です。
治療の2つの柱:「生活指導」と「薬物治療」
1. 生活指導:今日からできる対策
生活習慣の改善は、再発を防ぐためにも最も重要です。
食事は腹八分目にする(食べ過ぎない):胃酸の分泌を過剰にさせないように心がけましょう。
夜食など深夜の食事は避ける:就寝時に胃に食べ物が残っていると、逆流しやすくなります。
食後すぐに横にならない:食後2~3時間は、胃酸が逆流しないよう、体を起こした状態で過ごしましょう。

2. 薬物治療:胃酸のコントロール
酸分泌抑制剤:胃酸の分泌を抑え、胃酸過多の状態を改善します。消化管運動亢進薬:食道の働きを助け、逆流した胃酸を胃に戻す効果があります。制酸剤:食道に逆流した胃酸を中和し、炎症を和らげます。
まとめ:不調を感じたら、まずは専門家へ相談を
まずは胃カメラ検査で正確な診断を受ける。症状の原因が逆流性食道炎か、他の重大な病気ではないかを確認します。
