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大腸がん検診の種類と効果的な受診タイミング

大腸がん検診の種類と効果的な受診タイミング 内視鏡

40歳を超えたら一度は大腸カメラの検査を!

大腸がんは早期発見が治療成功に大きく影響する疾患です。大腸がん検診は異常を早期に発見し、迅速な治療を受けるのに役立ちます。 大腸がん検診は主に5種類の方法があります。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)

最も精密な検査方法で、ポリープやがんの早期発見が可能です。小さいものであればそのまま治療を受けることも可能です。
適切なタイミング:一般的には、40歳からの定期検査が推奨されます。初回検査でポリープ切除をした場合は1~2年後の再検査を、異常がなかった場合は2~3年後の再検査を受けるとよいでしょう。その後は3~5年ごとに定期的に受けるとよいでしょう。

便潜血検査

便中の微量の血液を検出する検査方法です。大腸がんや大きいポリープなどがあると陽性となります。簡便な検査ですが、痔からの出血などでも陽性となってしまう事はデメリットとなります。
適切なタイミング: 40歳から1年に1回の定期検査が推奨されています。陽性の場合は内視鏡検査が必要です。

CTコロノグラフィー

CT検査とコンピューターテクノロジーを用いて、大腸内の構造を立体的に描出してポリープやがんなどの異常を検出する方法です。大腸内視鏡と同様に前処置として下剤を飲む必要がありますが、炭酸ガスを肛門から注入するだけで内視鏡検査と比較して不快感や痛みなどが少ないと言われています。
適切なタイミング:基本的には高齢者など内視鏡検査を受けることが難しい場合に検討されます。人間ドックや健康診断のオプションなどで受けることもできます。頻度としては他の大腸がん検診を受けていなかったら2~3年ごとに受けると良いでしょう。ポリープやがんを疑う異常があった場合に後日内視鏡検査を受ける必要があります。

バリウム注腸造影検査

バリウムはX線検査やCTスキャンなどの画像診断において、体内の器官や組織の詳細な構造を観察するための造影剤として使用されます。バリウムを用いて大腸の形状をX線で撮影する方法です。CTコロノグラフィーの方が精度が高いと言われています。
適切なタイミング:内視鏡検査が困難な高齢者や特殊な状態の患者さんで検討されることが多いです。人間ドックや健康診断のオプションとして受けることもできます。 頻度としては他の大腸がん検診を受けていなかったら2~3年ごとに受けると良いでしょう。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査は、採血(血液検査)で検査する方法です。腫瘍マーカーはがん細胞の数や、がん細胞が作る物質の量が多くなると、値が上昇します。しかし、肝臓や腎臓の病気、飲酒や喫煙などの生活習慣、普段飲んでいる薬、がん以外にかかっている病気などの影響によって、がんの有無とは関係なく高い値になることもあります。反対に、早期のがんでは値が高くならないこともありまます。
適切なタイミング:人間ドックや健康診断のオプションとして受けることができます。便潜血検査や内視鏡検査を受ける方は「大腸がん検診として」腫瘍マーカーを追加する必要性は少ないです。

まとめ

様々な検診方法がありますが、一番精度が高くかつポリープやがんがあった時にその場に治療まで受けられる大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)を強く推奨します。
40歳を超えると大腸がんのもとになるポリープができてくると言われていますので、40歳を超えたら一度、大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)を受けましょう。