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便潜血検査結果の解釈とその後の対応について

便潜血検査 内視鏡

便潜血陽性、放っておかないで!

大腸がん検診として行われる検査の一つが「便潜血検査」です。事前に自宅で採取した便を提出し、便の成分を調べるものです。肉眼では分からない極微量の血液成分を感知することができます。

便潜血検査陽性とは

大腸にがんや大きいポリープなどがあると、それらが便に接触した時に出血を起こし、血液が便に付着することがあります。この場合に「便潜血検査陽性」と判定されます。
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、いぼ痔・切れ痔の場合も陽性と判定されることがあります。

便潜血陽性だった場合の対応

便潜血陽性の場合、明らかな血便などの症状がなくても進行大腸がん・早期大腸がん・大腸ポリープなどの病気の可能性があるため、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受ける必要があります。
「痔があって時々出血するからそのせいだろう。」などと思い便潜血陽性の結果を無視してしまう方がいますが、万が一がんがあった場合に進行して肺や肝臓に転移して根治が難しくなってしまうので、結果を軽視せず大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けましょう。

便潜血陰性だった場合の対応

1回しか便潜血検査をしなかった場合、大腸がんの人が検査で陽性になる確率は30~40%程度です。これは大腸がんは常に出血をしているわけではないためです。2回分の便を検査する2日法の場合は70%程度と言われています。
つまり、便潜血検査(2日法)が陰性だった場合もがんが完全にないとは言えません。翌年またその翌年と、毎年便潜血検査(2日法)を受けると良いでしょう。

便潜血検査だけでは不安な場合

便潜血検査で発覚するのは外科手術の対象となる進行の大腸がんであることが多く、内視鏡治療が可能な早期大腸がんのほか、大腸がんの原因となる大腸ポリープの場合は便潜血陰性となることも多々あります。
そこで、早期大腸がんや大腸ポリープを見つけるには大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けるとよいです。40歳を過ぎると大腸ポリープができてくるケースが増えるといわれているため、40歳を過ぎたら一度、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受ける事をお勧めします。